講演日:
11月8日(土)
時間:
調整中
Room:
調整中B
団体名:
World Wide Web Consortium (W3C) https://www.w3.org/
登壇者:
2004年にWHATWGが立ち上がり急速に機能強化がなされてきたHTML5を中心とするウェブ標準のエコシステムは、パフォーマンスやメディア機能などを追い求めWebRTCなどの多数の機能を追加し、急激にフットプリントを拡大していった。巨大な仕様群となり全てを実装しきることが困難になっていく中、Tridentの後継となるEdgeHTMLが終了しブラウザエンジンの種類が減っていたが、新しい市場要請もありLadybirdの開始やServoの再活性化など、新しい活動の機運も始まっている。そして、ブラウザのJavaScript環境での動作が主要対象だったHTMLと関連標準も、動作高速化やより微細な表現能力の向上などを目的に、ネットワークレイヤーの標準仕様や認証・認可標準のFIDO、そしてOpenIDやUnicodeなど幅広い標準化と連携して仕様開発を進める状況になりレイヤー間垣根が溶けてきた。
また、近年では、W3C OpenUI CGにて、UIを構築するためのさまざまなオープンソースライブラリの共通領域抽出の活動から、共通して実装されているUIコンポーネント機能をHTMLやCSSの標準に持ち込む活動が行われたり、逆にブラウザ内のスクリプト動作高速化のためのWASM (WebAssembly)のバイナリの仕様がさまざまな言語のオープンソース実装に活用されるとともにインターフェースも充実化され、ブラウザ以外のアプリケーションやクラウド上での実行環境として活用されるなど、周辺エコシステムも巻き込んだ標準化活動が求められている。
本講演では、これまでの変遷や進化の過程を整理し振り返りながら、望まれるコミュニティー連携を議論したい。